慟哭・・・貫井徳郎さん

久々に本の話題を。

ブログで感想を書きたい本がたまる一方なんですが、
さらさらっとは書けないので、ついつい後回しに。
で、そのまま書かずになってしまいます。

「ラストが意外な小説」で検索して見つけたのが
貫井徳郎さんの『慟哭』。

今日は帰りの電車で読み終えました。

その意外性を予想していたら、そのとおりだったので
面食らってしまいました・・・

いえいえ、実を言うと、その意外性を予想していたのは、
最初の1/3くらいまで。

1/3以降の展開では、その意外性ではつじつまが合わないので、
却下していました。

で、読み終えたら、その意外性やった・・・

つじつま合わないぞ。

というか、それでつじつま合うとしたら、小説として成り立たないんじゃない?


これ以降はネタバレです。


この小説は、

幼女誘拐殺人事件を捜査する警視庁の捜査本部、
そしてその陣頭指揮をとるが中心のストーリー

とてつもない不幸に見舞われ、仕事を辞めた男が
新興宗教にのめりこんでいくというストーリーが

交互に展開します。

この時点では、ああ、捜査一課長が仕事を辞めた男なんだろうなあ、
と思っていました。

その後

警察側のストーリーでは、警察の捜査は難航していきます、
一方の新興宗教にのめりこんでいく男のストーリーでは、
彼が幼女を誘拐し殺害していることが明らかになっていきます。

彼は幼い娘を亡くしてしまい、新興宗教から教えられた死者を
生き返らせる儀式を行い、自分の娘を生き返らせるために、
同い年の幼女を誘拐して、いけにえにしていたんです。

ここで、警察は犯人からの挑戦状とも言うべき手紙を受け取ります。
捜査一課長も当然読んでいます。

一方の新興宗教の男は、自分が犯人なのに、何者かが警察に手紙
を書いたことを知り、驚きます。
しかし、彼はその手紙騒ぎに便乗し、彼自身が2通目の手紙を書くのです。

一向に進まない捜査に業を煮やした捜査一課長は、記者会見で
高圧的に犯人に自首を呼びかけます。

すると犯人は、その呼びかけに対し、捜査一課長を挑発するような
手紙を警察に送りつけてくるのです。

これを読んで、捜査一課長が仕事を辞めた男という設定はあり得ない、
と思いました。

じゃあ、警察側ストーリーの誰が新興宗教の男なんだ??
これが意外な結末か?と期待しながら読み進めました。

・・・が、結局、当初の予想どおり、捜査一課長が新興宗教の男でした。


時間軸で整理すると、同時進行のように書かれていた2つの物語が
実は、警察のストーリー--->新興宗教のストーリーという順序で
起こっていたのです。

警察のストーリーで起こっていた連続幼女誘拐事件の最後の犠牲者が
捜査一課長の娘で、そのショックで警察を辞めた課長が新興宗教に
のめりこみ、娘復活のために怪しげな教義を信じて、幼女の誘拐を
始めたというわけ。

となると、連続誘拐事件は、2つ起こっていることになります。
1つ目は、捜査一課長が追いかけていた事件、
2つ目は、自分自身が犯していた事件。

この2つの事件両方で、犯人から手紙が送られていて、
警察が記者会見で犯人に対し高圧的な脅しをかけた
ってことになりますよ。

????それって強引すぎません?


僕の文章が下手なのでわかりにくいかな。


2つ同時進行のように書かれたストーリーが、実は時間軸で
ずれているもの、という伏線というか、ヒントが全くないんです。

これは、正直言って、『反則』じゃないんかな。


このタイプの小説では、乾くるみさんの『イニシエーションラブ』が
ありますが、こちらは結末を読んだ後に、読み返すと、いろんな
ところに、結末のどんでん返しのヒントや伏線が張られていて、
「やられた~!」と思いましたよ。

『イニシエーションラブ』もアマゾンのレビューを見る限りでは、
トリックを早々と見破っていた人も多く、評価は低いですが、
そのトリックの矛盾に触れている人はいません。

貫井さんの作品は、『迷宮遡行』のほうがまだ楽しめたなあ。




慟哭 (創元推理文庫)
東京創元社
貫井 徳郎


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